2009年9月10日木曜日

八大人覚(はちだいにんがく)

お釈迦様が最後に説かれた遺教経(ゆいきょうぎょう)というお経があります。
そこには「八大人覚(はちだいにんがく)」という言葉があります。

禅を日本に初めてもたらした道元禅師の最後の説法は
この「八大人覚」を説いています。


1.少欲(しょうよく)

これはまだもらっていない欲を戒めた言葉です。
欲望には際限がありません。欲を追い求めすぎると破滅します。

2.知足(ちそく)


もらってからの欲を戒めた言葉です。
キリのない欲です。足るを知りましょう。

3.楽寂静(ぎょうじゃくじょう)

時々、静かな所へ行って世間の雑音から離れ、生きているということを
ゆっくりと味わってみるということ。
世の中は沼のようなもの、入りすぎると溺れてしまいます。

静かなところで静かな時間を楽しむ。
そうすれば煩悩の火もスーッと消えるものです。


4.勤精進(ごんしょうじん)

一滴の水は年月を重ねると石に穴をあけます。
これはとても大切な生活態度です。
どんなに遠い道のりでも、やりたいことを一つにしぼり一歩一歩進んでいけば
確実に近づいていくのです。


5.不忘念(ふもうねん)

 
心清らかに、むさぼらず、邪心・猜疑心を持たない純粋な気持ちを忘れるな
ということです。
これらの心があれば、欲には左右されないのです。

6.修禅定(しゅぜんじょう)

不忘念を忘れないためには、いつも心が安定していなければいけません。
これを禅定といいます。
念仏や座禅などは、禅定に到達するための方法です。


7.修智慧(しゅちえ)


仏教は智慧の教えです。
知識は頭の働き、智慧は心の働きです。

智慧を得ることを 聞思修の三慧 といいます。

  聞いたことを(聞慧)
  よく自分で考えて(思慧)
  そして実行していく(修慧) 


8.不戯論(ふけろん)


限りある命を無意味な議論に費やさないこと。
無意味な議論は心を乱してしまいます。

3の楽寂静(ぎょうじゃくじょう)は忘れがちです。
自然豊かなところに住んでいるので忘れないようにしたいです。

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