2009年10月17日土曜日

十三仏と日本人の死後の世界観

<インドにおける輪廻思想>
死後生まれ変わるという考え方。
これが仏教に取り入れられ
死後七日目毎に来世へ生まれ変わるように考えられました。
死後七日目に生まれ変わらない場合は、次の七日目に。
それでも生まれ変わらない場合は、さらに次の七日目にと繰り返されます。
四十九日目までには必ず生まれ変わります。

この四十九日までの期間を中陰(ちゅういん)と言います。

<中国における十王信仰>

仏教が中国に伝わると道教の影響を受け
死後、十人の裁判官より裁きを受けるようになりました。

初七日(死後 7日目) 泰広王 
二七日(死後14日目) 初江王  
三七日(死後21日目) 宋帝王  
四七日(死後28日目) 五官王  
五七日(死後35日目) 閻魔王 
六七日(死後42日目) 変成王  
七七日(死後49日目) 泰山王 
百箇日(死後100日目)平等王 
一周忌(死後1年目)  都市王 
三周忌(死後2年目)  五道転輪王  

<日本における十三仏信仰>

中国の十王信仰の影響を受けて、鎌倉時代に日本独自の十王信仰ができあがりました。
日本では、浄土の世界へ導いてくれる十人の弁護士が各裁判で付くようになりました。
十人の弁護士とは仏様の事です。

さらに七回忌・十三回忌、三十三回忌と裁判も増え、三人の弁護士も追加され、合計十三人の弁護士となりました。

つまり、一人前の仏になる為に十三人の仏様(十三仏)が弁護士となり導いて下さるのです。

( )が仏の世界へ導いてくれる弁護士です。
初七日 泰広王 (不動明王) 
二七日 初江王 (釈迦如来) 
三七日 宋帝王 (文殊菩薩) 
四七日 五官王 (普賢菩薩) 
五七日 閻魔王 (地蔵菩薩) 
六七日 変成王 (弥勒菩薩) 
七七日 泰山王 (薬師如来) 
百箇日 平等王 (観音菩薩) 
一周忌 都市王 (勢至菩薩)
三回忌 五道転輪王 (阿弥陀如来) 
七回忌 蓮華王 (阿しゅく如来)
十三回忌 慈恩王 (大日如来)
三十三回忌 祇園王(虚空蔵菩薩)


<日本人の死後の世界観>
日本では神道、仏教、儒教などをミックスした独特の死後の世界があり、
それが生活と結びついています。

死後肉体は処理されても霊魂は残ると考えられていました。
そしてその霊魂は不安定で荒れています。
また死後の霊は死霊と呼ばれていて、それを子孫が供養することにより神(祖霊)へと育てていきます。祖霊へと育てていくと、霊魂も安定してきます。
祖霊となるのが神道では三十三年ないしは五十年かかるとされています。
仏教はこの考え方を取り入れて三十三回忌を作ったのです。
因みに祖霊はさらに育つと氏神になります。

このように魂を鎮める考え方も仏教にも取り入れられて、年回の法事が行事となっていきました。

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