2009年6月27日土曜日

考えないこと

「もう気にしていません」と言うが
本当に気にしていないのだろうか?
これは、気にしていないということを気にしていて
まだそこにとらわれている。

「とらわれ」や「こだわり」そして「かたより」から解放される
とはどういうことなのでしょう?

面白いことが書かれてあったので引用します。
世間体を気にしない、
まったくの自由人は、
それが自分のライフスタイルだと思い込むことで、
自分の体裁を気にしている。

格好をつけるのが嫌いだ、という人間は、
格好をつけないことが、格好の良いことだと思っていて、
つまり、格好をつけている。

他人に干渉するな、と求することは、
そういって、他人に干渉している。

自分が特別だと思っている、それ自体が特別ではない。

意識とは不自由なものだ。

こうして、自分のアイデンティティは、素直な思考によって不可逆的に軟弱になっていく。

最も効果的な防御とは、考えないこと。

(「詩的私的ジャック」より 森博嗣著)

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