2012年6月8日金曜日

お線香は何本たてるの???

よくお線香は何本立てればよいですか?と質問されることが多いのですが、
その前に考えなくてはいけないことがあると思います。
それはなぜお線香をたてるのか?ということ。
この質問は残念ながらほとんどありません。

お線香は立てるものと同時にお供えするものでもあります。
香典(こうでん)といいますが、もともとはお香をお供えする意味でしたが、
いつしかお金を包むようになりました。


「香典」は「奠」とも書き、「奠」の字は供え物を意味しています。


経典では「仏は香りを食する」とあるように、仏様は香りを召し上がるといわれています。なので香りをお供えするということになるのです。だからこそ本数よりもどんな香りなのかが大切なのです。
また、もともとインドでは酷暑の気候による悪臭を取り除くためにお香を焚いていました。
仏教ではそれを仏様を供養する方法に取り入れました。
祈りをささげる時に、お香を焚いたり、お線香をたてることで煩悩だらけの心身を清めるという
意味もこめられているのです。


では、何本立てるのがよいのでしょうか?


特に正解はありません。
まずは心身を清める、よい香りをお供えするという意味をこめてお線香をお供えすれば一本でもよいと私は考えています。


ただ、ご年配の人からや菩提寺から何本にしなさいと言われていれば、それには従った方がよいと思います。


よく言われているのは、一~三本です。


三本の意味としては、
 仏様、お経、お坊さんに一本ずつお供えするという意味があったり
 過去の仏様、現在の仏様、未来の仏様
 (つまり、我々の前世、現世、来世に向けて一本ずつお供えするという意味)もあります。


私がみてきた中では、二本お供えする人が多いです。
仏様と自分に対してお供えするという意味があるようです。
(家の仏壇などは二本が多いですね)


また、49日までは一本であるべきと言う人もいます。
理由は、あの世とこの世は一本道だからだそうです。
この時何本もお供えすると、死者が道を迷うとか。
49日まではお線香をあげる人が多いので、一本と理解したほうがわかりやすいかも
しれませんが・・・。




何本あげるにしても意味を忘れずに気持ちをこめてお線香をお供えしましょう。


最後に、
お香は匂いを「嗅ぐ」ではなく、「きく」といいます。
お香をお供えしたからといって心身は清められません。
煩悩だらけの自分自身の心に耳を傾け「きいて」いきましょう。


2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いつも考えながらお線香を供えてました。
要は、お供えする側の気持ちなのですね。
煩悩だらけの自分・・・お香をきいてみたいです。

匿名 さんのコメント...

コメントありがとうございます。

煙といっしょに煩悩も消えてくれればよいのですが・・・なかなかそれは難しいですね(笑)

和尚