「煩悩」とは、苦しみを生み出す原因のことです。
除夜の鐘が百八つ撞かれるのは煩悩の数からきていると言われています。
しかし、ちょうど百八つあるということではなくて、人間の欲望の数は沢山あるというように理解したらよいと思います。
そして全ての欲望の根源には三種類の煩悩があります。
1.貪(とん)
貪欲(とんよく)のことで、むさぼり、執着する心のことです。
2.瞋(じん)
瞋恚(しんに)のことで、腹を立ていかる心のことです。
3.痴(ち)
愚痴(ぐち)のことで、おろかで無知な心のことです。
貪瞋痴(とんじんち)は「三毒」とも呼ばれ、人間を苦しめる毒薬なのです。
全ての欲望を断ち切ることはとても困難です。
しかし「煩悩即菩提(ぼんのうそくぼだい)」という言葉があります。菩提とは悟りのこと。
なぜ我々は菩提(悟り)の心を求めるのでしょうか?
それは、煩悩があるからなのです。
だから悟りを求めるのです。
悟りがあるから煩悩をわかることができるのです。
ちょうど蓮の花(悟り)が泥の中(煩悩)から咲くのと同じです。
煩悩を少しでも抑えるには、まず煩悩も大切なんだと理解することからはじまるのではないでしょうか。
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