2008年10月4日土曜日

『告白』/町田康



人はなぜ人を殺すのか。
河内音頭のスタンダードナンバー<河内十人斬り>をモチーフに、町田康が永遠のテーマに迫る渾身の長編小説。
(帯より)


本との出会い

ダヴィンチで紹介されていたので購入。
読もう読もうと思っていたが、とても分厚い本。約700ページもの長編作。
購入した本をすぐ読む必要もなく、本棚へ直行。読みたくなったら読もうと決めていた。背表紙を眺めてどんな本かな~と想像するのも楽しいもの。結局1年近く本棚にあったが、先日ついに手に取ることに。背表紙が「読んでくれ~」と訴えてきたからだ。直感を大切にしたいので、ちょうど私には読む時期が来たと思い読み始めてみた。

感想

思ったことをすぐ口に出していえる人。そうできない人。
主人公の熊太郎は後者のタイプ。そしてとても繊細で何事も考えすぎてしまう。しかも虚栄心が強く見栄っ張りな為、余計に物事が悪い方向へとながれていく。
人を殺してしまう主人公。でも不器用さが憎めない。考えすぎて悪循環に陥ってしまうが、その過程が鋭く描かれており、読みごたえのある作品であった。
主人公と関わりのあった人たちがもっと彼を理解してあげられればと悔やんでしまった。

作者は面白いことにロックミュージシャン(パンク歌手)でもあり、俳優でもあり、詩人、小説家でもある。2000年には「きれぎれ」で芥川賞を受賞している。

読書の秋にはもってこいの長編作。是非一読を。

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