2008年3月19日水曜日

お陰さま



『おかげさまで』

夏がくると冬がいいという、
冬になると夏がいいという。

太ると痩(や)せたいという、
痩せると太りたいという。

忙しいと閑(ひま)になりたいという、
閑になると忙しいほうがいいという。

自分に都合のいい人は善い人だと誉め、
自分に都合が悪くなると悪い人だと貶す。

借りた傘も雨があがれば邪魔になる。
金をもてば古びた女房が邪魔になる。
世帯をもてば親さえも邪魔になる。

衣食住は昔に比べりゃ天国だが、
上を見て不平不満に明け暮れ、
隣を見ては愚痴ばかり。

どうして自分を見つめないか、
静かに考えてみるがいい。

いったい自分とは何なのか。
親のおかげ、先生のおかげ、世間様のおかげの塊(かたまり)が自分ではないのか。

つまらぬ自我妄執を捨てて、得手勝手を慎んだら世の中はきっと明るくなるだろう。
おれがおれがを捨てて、おかげさまでおかげさまでと暮らしたい。  
                                        (作者不詳)

「風邪は治りましたか?」「はい、お陰さまで」
普段何気なく使っているこの「お陰様」という言葉。
陰は、目に見えるものだけではなく、目には見えないご先祖様や神仏も意味しています。
感謝する心、忘れないでいきたいものですね。



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