2012年6月12日火曜日

ロウソクの意味について

これまで合掌やお線香について述べてきましたが、今回はロウソクについて
説明していきます。

ロウソクなどで灯した明かりのことを灯明といいます。
灯明の明かりは、闇を除いて全てを明るく照らすように
我々の迷いや煩悩の闇に光を当てて、それらを取り除くとされています。

そして、灯明の「光」は、仏様の智慧を表し
灯明の「熱」は、慈悲の温もりを表すと言われています。
仏様の智慧と慈悲によって我々は救われていくのです。


また自ら燃やすことで周りを照らし出すのは、自分の身を削って周囲のために
施すという仏教の目指す生き方を示してもいるのです。

尚、お線香やロウソクの火を消すときは、息で吹き消してはいけません。
我々の息は、「不浄の息」とされており、仏様を汚すことになるからです。


お灯明に関する「貧者の一灯」というお話があるので紹介します。


お釈迦様がある村で説法する時のお話です。

村ではお釈迦様を供養しようと沢山の明かりを灯していました。
千も万も、自分の力を示すために明かりを灯すお金持ちの人が多くいる中で、
明かりを一つも買うことができないとても貧しい老婆がおりました。

老婆はこれまで供養ができなかったので、今回はせめて一灯だけでもと、
自分の髪の毛を売り、油を購入し、沢山の灯明の中に一灯を置くことができました。


お釈迦様がお見えになり説法を始めようとすると、突然風が吹き沢山の灯明が
消えていきました。しかし一つの灯明だけが消えずに周囲を照らしていました。
それは、老婆が捧げた灯明だったのです。

お釈迦様は、
「どんなに沢山の灯明でも、心がこもっていなかったり見栄だけのものは
微風でもすぐに消えるのです。どんなに小さな灯明でも心のこもっているものは、
大風でも消えないのです」
と心のこもった供養の大切さを説かれました。
お金をかけたものよりも、わずかでも心のこもったものの方が尊いのです。



普段は何も考えずに火をつけていることが多いと思います。
意味を考え心をこめて明かりを灯していきましょう。



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