2011年11月9日水曜日

ザクロを持っている仏像

お寺の庭のザクロが大きな口を開け食べごろとなってきました。

仏教ではザクロのことを吉祥果(きちじょうか)と呼びます。
ザクロは一つの実の中にたくさんの小さな実があり、その一つ一つがそれぞれ小さな種を持っていることから、子孫繁栄をあらわす縁起のよい果物とされているのです。


なんとそのザクロを右手に持ち、左手には赤ちゃんを抱いている仏像があります。
それは鬼子母神(きしもじん)です。↓




鬼子母神とは、その昔多くの子供を持ち、他人の子供をさらって食べる鬼神で人々から恐れ憎まれていました。人々から相談を受けたお釈迦様は、彼女が一番愛していた末子を隠すことにしました。

彼女は探し回り苦しみました。そして彼女は子供を失った母親の苦しみを悟り、仏教に帰依しました。
以後、子供や安産をつかさどる神になったのです。
そして、右手にザクロを持つことで子育ての神として子孫繁栄の願いが込められているのです。

ザクロは人の肉の味がすると昔からわ言われています。
鬼子母神は子供の味が恋しくて右手にザクロをもっているとも言われていますが・・・
それは違うでしょう。

2011年11月8日火曜日

前後際断

これは禅の言葉です。

仏教では時間は連続しておらず、フィルムのように一コマ一コマ断続したものである
と考えます。
たとえば、我々は冬から春になると考えますが、そうではなく冬は冬であり、春は春であると考えます。
薪が燃えて灰になると思ってますが、薪は薪であり、灰は灰であって、連続しているのではないということです。
人生も同じで「今、この瞬間」でしかありません。
過去は過ぎ去ってしまったものであり、未来はまだ来ていません。
今この瞬間を精一杯生ききることが大切なのです。